セミナー情報

2012年4月7日(土)・4月14日(土)・4月15日(日) 3日間
第5回 認知症ケアフォローアップ研修
「認知症ケアとアクティビティ・プログラムの進め方と演習」

2012.3.12



認知症ケアフォローアップ研修も第5回を迎えます。これまで24回の講義と演習を行ってまいりました。
このたびは、特別講師として川崎幸クリニック院長の杉山孝博氏をお迎えします。杉山氏は認知症における第一人者で「認知症ライフパートナー検定試験」公式テキストの執筆者でもあります。クリニックでの診療、訪問診療、全国での講演など日々お忙しい中、今回は「生活上にみられる認知症の理解とその対応」について講義をしていただきます。また、新潟県長岡市の(社)長岡福祉会 高齢者総合ケアセンター「こぶし園」総合施設長小山剛氏から、東日本大震災後の現状と施設の取り組みについて、そのほかグループホーム計画、ハンドマッサージの演習、布アートの制作などの演習体験も取り入れた内容となっております。 毎回好評のうちに継続している研修です。ぜひ、皆さまお誘い合わせのうえご参加ください。

※今回の認知症ケアフォローアップ研修は、「認知症ケア専門士」の単位認定講座になります。
※受付は終了いたしました。


各日程のプログラム

4/7(土)

AM

オリエンテーション

渡辺 光子

一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会 理事長
NPO法人 福祉・住環境人材開発センター 理事長

認知症の人が暮らしやすい住環境をグループホームから学ぶ

〜グループワークでグループホームを計画し、プランニング演習体験〜

渡辺 光子

一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会 理事長
NPO法人 福祉・住環境人材開発センター 理事長

前半では、認知症の人が安全に安心した生活が出来る住環境のポイントを理解します。
・昔から使い慣れた道具、絵や写真などを使い、思い出コーナーなど五感に働きかけ、記憶に配慮した空間づくりを行います。
・高年齢層の女性にとって家事は身体で覚えた動きという方が多く、このため認知症になってもその能力は発揮できる場合が多く見られます。 特に調理は人の五感(視覚、味覚、臭覚、聴覚、触覚など)をフルに生かす行為です。料理を自分でつくることが、生活への参加、自分の役割を発揮すること、生活に自信を持つことに繋がります。
・認知症の方への環境支援のための指針(PEAP日本版) (1)見当識への支援、(2)機能的な能力(残存能力)への支援、(3)環境における刺激の質と調整、(4)安全と安心への支援、(5)生活の継続への支援、(6)自己選択への支援、(7)プライバシーの確保、(8)人とのふれあいの促進 などについて事例を見ながら学びます。 後半は、前半の講義を参考に、グループワークで、自分たちが理想とするグループホームを実際に計画する演習を予定しています。そのあとグループごとに発表、講評を行います。

PM

生活上にみられる認知症の理解とその対応(さまざまな事例から)

〜BPSD(認知症の行動と心理症状・周辺症状)の理解と対応の仕方〜

杉山 孝博

川崎 幸クリニック 院長
認知症の人と家族の会 副代表理事

京都市の三宅 貴夫医師は、認知症について「一度獲得した知的機能(記憶、認識、判断、学習など)の低下により、自己や周囲の状況把握・判断が不正確になり、自立した生活が困難になっている人の状態」といわれています(杉山 孝博先生が書かれている物から抜粋)。
杉山 孝博先生は、川崎市で「社会医療法人財団石心会 川崎 幸クリニック」の院長として、クリニックで診療の傍ら、在宅の訪問治療にも力を入れており若年認知症の方の治療など、さまざまな症状を持った方々にも対応されています。  ご多忙な毎日を過ごされている先生ですが、「公益社団法人 認知症の人と家族の会」の副代表理事の任にあります。全国の講演活動で、現場からの話を通し、多くの方に認知症について理解を深めていただくための普及活動を精力的に行われています。
このたび講師としてお招きし、認知症の方の家族やケアに当たる専門職がどのように対応すべきか、生活上にみられる認知症の理解とその対応について、先生が考案された「認知症をよく理解をするための9大法則・1原則」について、現場の声や事例を通してお話しいただきます。
認知症ケアの基本やアクティビティの効果についても学んでいただき、介護現場に生かしていただきたいと思います。

4/14(土)

AM

化粧療法の意味と役割、心を癒すハンドマッサージ演習

〜認知症の人と化粧の心理的効果、ハンドマッサージの演習〜

安藤 理美

山野美容芸術短期大学美容福祉学科 講師

化粧療法を施すことで心理的にどのように変化するか、その効果について事例を通して学びます。
  化粧をする理由として、若年年齢層の方は「美しく見せたいから」「創作するのが楽しい」 それに対して高年齢層の方は「気分がひきしまる」「社会的エチケットだから」と考えるとしたデータがあります。
高齢者や認知症の方に化粧を施した場合、気分の活性化、BPSD(徘徊、多弁、落ち着きがない、気分の変化が著しいなど)が減少する。行動変化が起きる(日常生活でコンパクトを持ち歩くなど)、社会性が高まるなどの効果があります。また認知症になっても五感は最後まで残ると言われています。化粧は、五感をすべて刺激する活動であるため、脳を活性化することにも繋がります。
後半ではハンドマッサージの体験実習を行います。ハンドマッサージは、高齢者、認知症の方をはじめとした、さまざまな年齢層の方にとって大変気持ちがよく、心を癒す効果があります。本実習で正しいハンドマッサージの方法を学び、介護現場、またはご家庭で年老いたご両親などにマッサージをしてはいかがでしょうか。とても喜ばれることでしょう。

PM

東日本大震災後の現状と新潟県長岡市施設「こぶし園」の取り組み

〜災害における高齢者・認知症の人のケアの現状とその対応〜

小山 剛

社会福祉法人長岡福祉会
高齢者総合ケアセンター
「こぶし園」総合施設長など

わが国にとって未曾有の出来事となった東日本大震災から1年が経った現在。現地ではいまだに解決していないさまざまな問題が、山積みであることが報道されています。
とくに震災の犠牲者の約半数は65歳以上の高齢者であり、被災地の高齢者問題は大変深刻です。住みなれた場所を離れ、設備的にもよい環境とは言い難い避難所や仮設住宅など、他の地域に移り住むことを余儀なくされていました。高齢者の人たちが、環境の変化からくる身体の機能低下や、認知症を発症したり、症状が悪化するケースなど、いまなお多くの問題を抱えている現状です。
そのような中、全国からさまざまな立場のボランティアの方々が支援に当たりました。また、医療、介護職の専門職の方々の支援、物資の提供などなど、目覚ましい活躍をされました。
これからの復興、また地震をはじめとする自然災害に備え、もう一度高齢者の生活や環境整備、認知症の人への対応策や支援の在り方について、今回の震災で現地に入られ、支援に当たった、社会福祉法人長岡福祉協会 高齢者総合ケアセンターこぶし園・総合施設長を務めておられる小山剛氏を講師としてお招きしました。「こぶし園」の活動、震災後の現状と今後の課題、問題提起について、さまざまな映像や事例を通して学びたいと思います。

4/15(日)

AM

施設におけるアクティビティ(園芸療法)の取り組みの事例

〜アクティビティを実施するための計画、準備、運営、評価〜

濱田 秋子

町田市南第一高齢者支援センター
相談 員・看護師

認知症の症状、能力を見極めながら、個々の能力を最大限に生かすために、庭という場を利用して何ができるでしょうか?
種まきの準備から、野菜や花を育て、収穫する。その過程のなかで、利用者同士、ご家族や地域の方、ボランティアとのふれあいや交流が生まれます。
時には、庭をゆっくりと散歩するなかで、虫や鳥、または植物の成長を目にすることで、季節の移り変わりを感じることもできます。また植物を育てるだけでなく、庭を使いお茶会や合唱会などの催しを行うこともできるでしょう。屋内での行事とは違い、「自分たちがつくった場」で行われることは、高齢者にとってひとつの自信につながるのではないでしょうか。
また特別なイベントでなくても、掃除や洗濯など生活の場に庭を活かすことで、庭をより身近な場として位置づけることができます。
講師の濱田 秋子氏は、これまで施設において自らさまざまなアクティビティやイベントの計画運営に関わってこられました。今回は庭という場を使い、取り組み方と進め方のノウハウやその手法をお話しいただきます。
庭に一歩、足を進めてみましょう。そこには多くの交流の場が用意されています。

PM

アクティビティの役割、「布を使ったアートの演習」

〜アクティビティ・ケアにおけるマネジメントの重要性、現場で使えるアートの演習〜

佐藤 典子

OFFICE SATO代表
アクティビティプロデューサー

アクティビティ・ケアにおけるマネージメントの重要性、また後半では、現場で使えるアートの演習をいたします。高齢者に笑顔が生まれるアクティビティの作り方と効果的な進め方についての講義です。
アクティビティとは、「質の高い組織を創るマネージメント」、組織的な取り組みであること、アクティビティにおける基本理念を持つこと、高齢者(認知症高齢者)のニーズの把握が必要となります。  前半ではまず、アクティビティの企画を考えます。コンセプトに基づいたアクティビティ・ケアを遂行します。これらの考え方をもとに運営に当たってのポイント(事前準備、事業の開催、評価、振り返り)の手法と「実践事例運営の留意点」を確認。とくに必要なことは「マネージメント能力」(1)つなぐ役割、(2)地域に開かれたものに、(3)本人(利用者)の状況に合わせた進め方、(4)クオリティの向上(維持)。
そのためには、スタッフ研修、アクティビティ・マネージャーの育成、そして経営者層の理解が求められます。またレクリエーションとアクティビティの違いを理解します。
後半は、布を使ったアート(絵)の楽しい実習です。即、介護現場で活かせるアクティビティの一例です。

※なお、講師の特別な事情により変更になる場合がありますのでご了承ください。


日時 2012年4月7日(土)・4月14日(土)・4月15日(日)
時間 10:00〜17:00(各日 3時間×2回)
受付期間 2012年1月13日(金)〜 ※受付終了
受講料 一般:35,000円(税込)/会員:29,000円(税込)
※会員同時申込み可(年会費6,000円)
※別途教材費(3,000円)は研修初日にお支払いいただきます。
会場 代々木研修室 (東京都渋谷区代々木1-29-5 教会ビル)
定員 36名(定員になり次第締切となります)
認知症ケア専門士単位 2単位(発表者は+1単位)
主催 一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会
後援 日本認知症ケア学会
福祉住環境コーディネーター協会
NPO法人 福祉・住環境人材開発センター

※ 会員とは:一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会 会員となります。
※フォローアップ研修中止の場合を除き、いかなる理由があっても受講料の返金および次回への振替・会場の変更はできません。


区切り線 この研修に関するお問合せは随時受け付けております。お気軽に事務局までお気軽にご連絡ください。
お電話・FAXでのお問い合せ TEL:03-5388-4134 FAX:03-3370-8061

営業時間 10:00〜18:00(土日祝日および当協議会休業日を除く)