【新刊】
改訂2版
認知症ライフパートナー検定試験
2級 公式テキスト
編著:一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会
発行:日本能率協会マネジメントセンター
制作協力:エルシーイーラボ合同会社
判型:B5判
ページ数:428ページ
ISBN:9784820729174
価格: 4,500円(税込:4,950円)
発行日: 2021年6月発売
「改訂2版」は、これまでの「改訂版」(2019年発行)の内容に、統計数値の更新、および介護保険制度の改正や、新しい認知症施策に関する情報を追加し、より読みやすく見直した「認知症ライフパートナー検定試験2級」のテキストになります。
わが国の急速な少子高齢化にともない、介護を必要とする人が年々増えています。特に認知症の人が増加しており、介護にあたる家族や専門職にとって、その対応の仕方、どのようにコミュニケーションを取れば良いのかなど、さまざまな課題を抱えているのが現状です。これらの認知症については、一個人のこと、一家族のことに終わらせずに、社会全体でサポートしていこうという行政の取り組みや市民活動など機運が高まっています。
本書は、最初に認知症の人をケアする上で、基本中の基本となる理念を示す形をとっています。長谷川和夫氏(認知症介護研究・研修東京センター 名誉センター長)が分かりやすく説明している文章をまずはじっくり読んで、そこから以降の章へと読み進めてください。
続いて、認知症の人の病気の特徴と症状、検査方法、その対応方法や認知症の人の生活習慣病、食、排泄、睡眠、薬の投与の仕方など、それぞれ生活に密着した対応方法について、より深い専門知識をより分かりやすく解説した内容となっています。また、認知症予防をするために日頃どのようなことに気をつけていけば良いかなど、必ずしも認知症の人を対象ということだけではなく、健常者にとっても日頃心がけなければならない予防対策などについて記述されています。また、心身の活性化、生活の改善をはかるために、日常生活の中で続けられるアクティビティを用いた生活支援などについても、数多くのプログラムや進め方について具体的に紹介されています。
また、言葉によるコミュニケーションが充分機能しない認知症の人に対して、その人 が生きてきた背景や趣味などをよく把握し、理解することが大切です。そのためには、アクティビティ・ケアを行う場合に重要なアセスメント(事前調査・評価)をしっかりすることが重要です。そのうえでアクティビティ・ケア(回想法、音楽、園芸、散歩・運動、動物療法など)の計画や準備、運営などについて、事例を通して詳しく記述しています。さらに、住宅内で転倒など起こさないように、また安全に安心した暮らしが出来るように、住宅に関する基礎知識や住宅・施設の居住環境や福祉住環境整備の留意点などについても理解できる内容となっています。また、介護保険制度、認知症の人の権利擁護など地域資源・制度の活用などについても分かりやすく記述されています。
3級公式テキストにあわせて2級公式テキストの内容を知ることで、認知症の人の支援に役立つことにとどまらず、認知症予防やアクティビティを用いたケアの方法など、具体的なサポートにも繋がることになります。3級公式テキスト同様、一般の方をはじめ、認知症の人の家族の方、学生の方、特にケアに携わる専門職の方々にご活用いただきたいと思います。なお、「認知症ライフパートナー検定試験」2級は本書から出題されますので、受験される方々には必携のテキストです。
この書籍を通じて、「認知症の専門知識」「認知症の対応の仕方」と「アクティビティ・ケア」の具体的な進め方や効果、認知症の人とのコミュニケーションの大切さを知っていただくと共に、認知症の人のケアにあたる専門職の方はもちろんですが、一般の人たちや家族の方々にも広く理解してほしいという思いから企画・制作した一冊です。学校など教育・研修の中でもぜひご活用いただければ幸いです。
・巻末資料には、3級公式テキスト同様、認知症に関する相談機関として、電話相談窓口、認知症専門外来、認知症関連サイトなどを紹介しています。
- 第1章 認知症の主な疾患と特徴、検査方法
- 第1節 認知症ケアの基本的理念
- 第2節 認知症について
- 第3節 認知症の主な疾患
- 第4節 認知症の検査方法
- 第2章 認知症の理解と対応
- 第1節 中核症状の理解と対応
- 第2節 BPSDの理解と対応
- 第3節 生活上にみられる障害の理解と対応
- 第3章 認知症の予防と対応
- 第1節 認知症予防について
- 第2節 前頭葉の廃用性機能低下を防ぐ
- 第3節 認知症予防と家族の役割
- 第4章 認知症と生活習慣
- 第1節 認知症と生活習慣病
- 第2節 認知症と食
- 第3節 認知症と排泄
- 第4節 認知症と睡眠
- 第5節 認知症と薬
- 第6節 認知症と口腔ケア
- 第5章 アクティビティ・プログラムの立案
- 第1節 アクティビティの特性を知る:活動分析
- 第2節 アクティビティ興味・経験調査
- 第6章 かかわりのためのコミュニケーション
- 第1節 認知症とコミュニケーション
- 第2節 認知症ケアにおけるコミュニケーションのコツ
- 第7章 アクティビティの種類と活用
- 第1節 日常生活活動におけるかかわり
- 第2節 回想を用いたかかわり
- 第3節 音楽を用いたかかわり
- 第4節 植物を用いたかかわり
- 第5節 動物を用いたかかわり
- 第6節 運動を用いたかかわり
- 第7節 化粧を用いたかかわり
- 第8節 料理を用いたかかわり
- 第9節 人形を用いたかかわり
- 第10節 芸術活動を用いたかかわり
- 第11節 手工芸を用いたかかわり
- 第12節 ゲームを用いたかかわり
- 第13節 アロマを用いたかかわり
- 第14節 アクティビティを用いたケアの実践事例
- 第8章 認知症高齢者と居住環境
- 第1節 わが国の住宅の特徴と安全への工夫
- 第2節 高齢者などの生活と居住環境
- 第3節 認知症の人の住宅における居住環境
- 第9章 地域資源・制度の活用と連携
- 第1節 介護保険制度の活用と地域社会での連携
- 第2節 認知症の人の権利擁護
- 資料編:認知症に関する相談機関
- 1.電話相談窓口
- 2.認知症専門外来
- 3.認知症に関する情報提供